雨漏りホテル

今日、走っていて始めて旅が楽しくなってきたと感じた。もうそろそろ高知県、というときぐらい、雨がずっと降っていてナイロン袋をかぶりひたすら走っていて思ったら、流れて行く南国チックな景色が一種のトランス状態を作り出したのか、冒険心をつつかれたような気がして楽しくなってきた。ランナーズハイというのはこういうことなんだろうかと思った。

昨年は家に帰るため、ひたすらこぐことができた。でも、今回はこげばこぐほど家から離れていくため、なかなかスタートを切れなかった。だけどようやく旅の新しい楽しみ方というのを見つけたような気がする、進めば進むほど、もっとおもしろい景色が見れそうな気がして、どんどん進むことができるようになってきた。

 今日は、そういうこともあり、約120kmほど走った。途中、室戸岬に寄った。
室戸岬は岩がごつごつしていて、もうすぐやってくる台風の影響で、風が強く、波しぶきがすごかった。
遊歩道を歩いていると、「あこう」という南国特有の木があって、日本にはまだ知らないことがいっぱいあると思った。

室戸岬
天然記念物アコウ

 室戸岬をでて、40kmほどいくと、雨が本格的に降り出した。いつまでたっても止む気配がないので、傘をさしてすすみだしたら、パンツまでびしょびしょになってしまった。途中、道の駅でナイロン袋をかぶったが、ほとんど意味が無かった。

 高知市内はなかなかいい感じのまちだった。やたらホテルが目に付いた。台風の影響だろうか、人はあまりいなかった。今日の寝床は、雨でびしょびしょなのでホテルにした。そのホテルはなかなか「おつ」なホテルで、僕が行くと、「あいにく、雨漏りのする部屋しかありません」と言われた。最初びっくりしたが、おもしろそうだと思って、そこに泊まることにした。

部屋に入ると、天井にはビニールシートが張ってあって、机の上にはバケツがおいてあった。幸い、実際に雨はしたたり落ちていなかったので、十分休むことができた。

雨漏りする部屋