台風7号につづき、台風8号がやってきているらしく、これから九州、四国は大雨になるといっていた。
雨漏りホテルを出発した時は、雨も降ってなく、風もたいしたことはなかった。しかも、少し走っていると太陽が出てきて、初めて南国四国の強烈な日差しをうけ、台風の方が良かった、などと思ってはみたものの、すぐさま、本格的に雨が降り出してきた。
結局、今日はほとんど進めなかった。40〜50kmといったところか。出発したのが遅かったせいか、ぼやぼや休み休み走っているとすぐに暗くなっていった。
あの山を越えたら寝床をさがそう。と思って、登り始めると、その山は果てしなく奥深く、まわりはしだいに暗くなり、よく見ると、この道には街灯がまったく無い。全くの暗闇の中、チャリンコのライトと、時たま通る車のライトをたよりに、まだかまだかと登りつづけた。
幸いその時は雨が降っていなかった。しかし、しばらく進んでいると突然大雨が降りだし、大急ぎでトンネルまで進み、雨宿りをしようとしたら、トンネルを抜けて行く車の轟音があまりにも恐ろしいので、もう少ししたら峠があるだろうと信じ、雨の中、先へ進むことにした。3、4つトンネルを抜けると、ようやく遠くの方に小さく建物の明かりが見えてきた。助かった。
台風の雨はきついが、風だけは僕を助けてくれる。まるで、台風に吸い込まれていくように、台風はぴたっと僕の背中に手を当てて、力強く押してくれる。
今日、明日が大雨の山場だそうだ。それ以外はきっと晴れるにちがいない。はやく南国の太陽に照らされたい。