シロと一緒に旅をする

相棒の名前をずっと考えながら走っていた。呼びやすくてインパクトがあり、風貌にあった名前。いろいろ考えたが、とりあえず白いので仮名として「シロ」にした。

 今日の朝、おじさんの工場にシロを迎えに行ったら、犬の籠を用意してくれていて、さらに自転車さんを呼んでくれて、ハンドルの前にその犬籠をいれる自転車用の籠までつけてくれた。いたれりつくせりで放心状態だったが、ここまでしてくれるとやはり責任感もさらに強く感じる。なんとしてでもシロといい旅をしたい。

自転車のカゴに入るシロ

突然の雨が止んだころ、おじさんにありがとうをいって出発した。

 前の籠に乗っているシロは乗り物酔いにならないかと心配だったが、休憩ごと元気にほえていた。野生期間が長かったのか、それともただの好奇心からなのか、やたらなんでも口にする。アリ、ガ、砂、花など、砂や草は食べるなと注意できても、アリ、ガなどはどうなんだろうと思ってしまい。まあ、好きに食べさしている。

こいつは一人にすると、とても不安になるようで、ちょっとコンビニに入ったりするとキャンキャンうるさく、落ち着いて買い物もできない。少し困った。おかげでこれからはホテルには泊まれそうにない。

夕方、宮崎市について、寝床を探していたら、24時間営業のコインランドリ−があったのでそこで泊まろうと思って、人気が無くなるのを待っていたら、地元のおじさんに話しかけられた。最初は犬をかわいがってくれたりして、いい人だったのだが、僕がラーメンを食って帰ってくると、まだその人がいて、「夜も長いし、まあ、人生のことについて語ろうや」といわれ、あれっ?と思った。そうこうして、夜もふけだし、客もいなくなるとおじさんと二人きりになってしまった。すると、「お金なんぼぐらいもっとるん?」とか「盗難にあったことあるん?」とか聞かれ、果ては「姓名判断をしたろ」と言われ「はあ」とかいっていると「200円でええわ」とか言ってきたので、「このまま朝までいると何されるかわからん」と怖くなって荷物をまとめて新しい寝床を探しに出た。

そして、結局道の駅高岡というところに泊まることにした。